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伊予市誌

2 広報紙の発行

 近代的な田園都市の建設を目指し、県下第一〇番目の市として一九五五(昭和三〇)年一月一日発足した伊予市は初期の市風として、部落意識の解消による市民の融和と健全な財政運営が施政の第一義に取り上げられた。そして満度に計上された建設計画を遂行するためには前途幾多の困難が予想された。こうして市発足第二年目を迎えて初代の市長城戸豊吉は民主行政の確立と運営の公明適正を期するため、市民に真の市政の状況を知らせるとともに建設的な市民の声を反映させ、市民とともに合併の目的達成の方途に寄与することを願って、一九五六(昭和三一)年一月一五日に、「広報伊豫市」の創刊をみたのである。このときは三、五〇〇部を発行し、二世帯回覧制でB5判中質紙を用い、縦書き一〇段組み二頁のものであった。内容は城戸市長の発刊の言葉・都市計画概要・昭和三〇年度歳入歳出予算調・一二月定例市議会についてなどが主なものであり、この広報は広報委員を通じて全市の各家庭に回覧された。次いで同年一月二五日には伊予市広報発行規程が定められた。
 同年三月三一日発行の第三号からは六、五〇〇部発行し、市内の全世帯に一部ずつ配られた。一九五九(昭和三四)年二月二〇日発行の第三七号には、第二代市長の玉本善三郎が就任の言葉として「あくまで公正で、明朗で、高潔の精神に徹しなければ到底円滑な行政執行ができ難い。また市民の意向をどこまでも尊重しなければならない。立派な市政と明るい希望の自治体をつくっていくためには、あらゆる努力をし常に市民の座につながって、市政をあずかる者は真に市民のために働く喜びを自覚し、信じ合い、助け合い、一方に偏することのない「責任政治」を貫く以外に途がないと信ずるものである」と述べている。
 「広報いよし」は創刊以来縦書きの紙面であったが一九六四(昭和三九)年七月一日、文書の左横書き実施規程が公布されてから広報もそれに準じて横書きに刷新した。編集は各課から出された原稿をまとめて総務課で行っている。一九六六(昭和四一)年三月二五日に市制一〇周年市民会館落成記念特集号を編集発刊した。
 一九七五(昭和五〇)年三月一日発行の第二一八号には、第六代市長の岡本要が就任の言葉として「人造りを土台とした安らぎのある、しかも生気に満ちあふれた、豊かで住みよいふるさとづくりに向かって、相互の信頼と連帯感を基調とし、市民の皆様方と十分意志の疎通を図りながら、諸施策の遂行に邁進して行きたい」と述べている。一九七五(昭和五〇)年一〇月一日に市制二〇周年記念特集号を編集発行した。一九八〇(昭和五五)年四月一日から広報係を総務課から市長公室に移し編集するとともに翌年五月からは、さらに、紙面の充実を図るため、A4判上質紙を用い、大きな活字で見やすく、写真を存分に取り入れ、八ページから一六ページの縦書きと横書きを併用する五段組みとし、八、五〇〇部を発行していた。
 一九八四(昭和五九)年一〇月一日に市制三〇周年記念特集号を編集発行した。一九九〇(平成二)年五月号から二色刷となり、一九九三(平成五)年五月号から二〇ページに増えた。
 一九九五(平成七)年三月一日発行の第四五八号に、第一一代市長の増野英作が就任の言葉として「伊予市政を取り巻く状況を見てみますと、現在、伊予市の財政は極めて厳しい状態にあり、急速に進行する高齢化社会への対応、行政需要の高まりなど、山積みする行政課題を厳選して、乏しい財源の中で取り組んでまいらなくてはなりません。どうか市民の皆様にはこうした実情をご理解賜りまして、来るべき二一世紀に向けて羽ばたく『元気印の伊予市』づくりのため、ご協力いただきますようお願い申し上げます。」と述べている。一九九五(平成七)年一一月一日に市制四〇周年記念特集号を編集発行した。一九九六(平成八)年五月号から表表紙と裏表紙がカラー化された。
 一九九九(平成一一)年三月一日発行の第五〇六号には、第一二代市長の中村佑が就任の言葉として「私の施策推進の基本姿勢といたしましては、次代を担う子どもたちに、すばらしい未来ある伊予市を残していかなければならない。そのための施策推進でなければならないと思っております。情報公開を積極的に進め、市民の皆さんとの対話と協調をいただきながら、ガラス張りの市政を推進し、『伊予市に住んで良かった。』また、他市から『伊予市に行ってみよう。』と言われるようなまちづくりを目指していく所存であります。幸いにも伊予市は、自然にも、産業にも、人材にも恵まれ、立派なものがたくさんあります。これらの好条件を生かした、誰もがいきいきと幸せに暮らせる伊予市づくりは可能であると強く確信いたしております。」と述べている。平成一二年度から新しい試みとして公募による女性編集スタッフの企画で年四回、四ページの紙面づくりをしており定着化してきている。平成一五年度からオールカラー化し、一〇、六〇〇部発行している。