データベース『えひめの記憶』
中山町誌
三、 石鎚講 (石鎚信仰)
「お東へ行く」「石鎚山参り」と称し石鎚山に権現さん参拝に出かけた。
現在でもお山開きの期間(七月一日~七月一〇日)には、自動車を利用して日帰りで行く人は多いが、昔は三日間の日程で出かけた。
参拝の一週間前から、「祓い給え清め給え六根精浄」と唱えながら水垢離をとり、精神統一をし白装束のハッピと鉢巻、脚絆姿で先達さんに連れられ幟を掲げて登った。
先達は「先達さん」と呼ばれ、絵符(石鎚神社の社官からもらった免許証)を持っていた。これは世襲の形で受け継いでいた大切な物である。
参拝者の条件は厳しく、女人禁制、家に死者があった者・出産があった者・家族に生理中の者がいる人などは参拝を慎んだ。また参拝中は殺生をしない、生物は食べない等の掟があった。
参拝してきた人は、お札、石鎚さんのうちわやシャモジ、ニッケ(アメ)を近所の人に必ず配っていた。
近年永木三島神社裏に、「石鎚神社遥拝所」という小祠が信者達によって建てられ、お山開き期間中に信者が集まって祈願祭を行っている。