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中山町誌

第二節 わらべ歌

 わらべ歌は子供達が生活と遊びの中で歌う唄で、古くから歌い継がれて伝えられてきたものである。子供達は遊びながら唄を歌うことで、遊びを面白いものにしていった。今は歌わなくなったものもあるが、伝承されてきた中から、主なものを取り上げてみる。

○ 亥の子歌
・お亥の子さんという人は
 一に俵ふうまえて   二でにっこり笑うて
 三で盃さしおうて   四つ世の中よいように
 五ついつものごとくなり 六つ無病息災に
 七つ何事ないように   八つ屋敷を買ひろげ
 九つ小倉をたてならべ 十でとうとうおさまった
 エンヤモ エンヤー
 ここで御祝儀をもらう、もらってから
 ここの屋敷はよい屋敷 がわが高うて 中ひくで
 大判小判がすずれこむ 繁盛せーい 繁盛せーい

 もし亥の子つきを断ったり御祝儀をこばんだ時は、「亥の子 亥の子 亥の子餅ついて 祝わんものは 鬼もうけじゃもけ 角のはえた子もけ」、とはやしたてたところもある。
 以前は五輪のような石に、縄をつけ大勢の子供が引いていたが、この頃では庭や、道路がコンクリート、アスファルトになったため自動車の古いタイヤでやっている。
 また、農家の集落では伝承されてきた藁ボテを利用しているようだ。

○ 関所あそび
・通りゃんせ 通りゃんせ ここはどこの細道じゃ
 天神様の細道じゃ ちょっと通して下しゃんせ
 ご用のない方通しゃせぬ
 この子の七つのお祝いに お札を納めに参ります
 往きはよいよい帰りは怖い 怖いながらも通りゃんせ
 通りゃんせ

○ 縄とび
・お入り 今日は ジャンケンポン アイコデショ
 負けたお方はおでなさい ハイヨロシ  (くり返し)
・大波小波 風が吹いたら回しましょう 一や二や三や
 四や五や六や 三りきりきりきすっぽんぽん

○ 子とろあそび
・古里もとめて花一匁、古里もとめて花一匁 あの子を
 とろか この子をとろか ○○さん ジャンケンポン
 勝ってうれしや花一匁 負けてくやしや花一匁  (くりかえし)

○ お手玉
・お一つ落としておさら お二つ落としておさら お三つ落としておさら
 お四つ落としておさら おみな落としておさら トンキリー  (くりかえし)
・小さい橋くぐれ 小さい橋くぐれ 小さい橋くぐれ
 おみな落として大きな橋くぐれ (くりかえし)
・たんのり たんのり 一ちょかけたんのり 二ちょかけたんのり
 たんのり 三ちょかけたんのり 四ちょかけたんのり たんのり  (くりかえし)
    (お手玉一ヶの遊び)

○ 一かけ 二かけ
 一かけ二かけ三かけて 四かけて五かけて橋をかけ
 橋のらんかん手を腰に はるか向こうをながむれば
 十七八のねえさんが  片手に花もち線香もち
 ねえさんねえさんどこへ行く わたしは九洲鹿児島の西郷隆盛娘です
 明治十年三月に(明治十年九月に死す) 切腹なされた父上の お墓参りにまいります
 お墓の前で手を合し ナムチン ナムチン ジャンケンポン  (くりかえし)

○ 目かくし
 カアゴメ カゴメ かごの中の鳥は いついつ出合う
 夜明けの晩に 鶴と亀がすべった 後の正面だあれ
 (○○さん、名前が当たれば交替する)  (くりかえし)

○ 手まりの歌
・あんたがたどこさ 肥後さ 肥後どこさ 熊本さ 熊本どこさ
 仙波さ 仙波山には狸がおってさ それを猟師が鉄砲でうってさ
 煮てさ 食ってさ うまかってさ (マリを背中にのせて終わる) (くりかえし)
・一れつらんぱんはれつして、日露戦争はじまった
 さっさと逃げるはロシアの兵 死んでもつくすは日本の兵
 五万の兵をひきつれて 六人残してみな殺し
 七月八日の戦いに ハルピンまでも攻めよせて
 クロバトキンの首を取り 東郷大将ばんばんざい
 十一なみこの墓参り 十二は二宮金次郎 十三三月花節句
 十四新年おめでとう 十五五月の鯉のぼり 十六ろしやの番人さん
 十七質屋のむすめさん 十八浜辺の白うさぎ 十九くろんぼ印度人 二十は東京の二重橋
・おんしょんしょん正月は 松立てて 竹立てて 何ぞすいものもってこい
 ひーや ふーや みーや よーや いつやむーや ななやー やーや ここのやーとう
 とうからおいでたお芋やさん お芋一貫いくらかね 二十四文でございます
 もっとまからんかさがらんか お前のことなら負けとこう。
 ますお出し ざるお出し 隣の婆さん一寸おいで お芋のにっころがしこれあげよ
 ひーや ふーや みーや よーや いつやー むーや ななやー やーや ここのやー とう
 とうで一回おうさめた

○ 子守歌
 ネンネンヤネンネンヤネンネのお守りはどこへ行た
 うね坂越えて里へ行た 里のみゃげに何もろた
 でんでん太鼓に笙の笛 それでもたらぬとおいるなら
 たたきたおせやぶち倒せ たたいてなるかや乳飲ませ
 守りがつらさに裏に出て見れば 雪のかからぬ山はない

○ 一匁の一助さん
 一匁の一助さん 芋かいに走った 一万一千一百石一
  斗一升一とうまいの お倉に納めて二匁に渡した
 二匁の二助さん 人参かいに走った 二万二千二百石
  二斗二升二とうまいの お倉に納めて三匁に渡した
 三匁の三助さん さばかいに走った 三万三千三百石
  三斗三升三とうまいの お倉に納めて四匁に渡した
 四匁の四助さん 羊羹かいに走った 四万四千四百石
  四斗四升四とうまいの お倉に納めて五匁に渡した
 五匁の五助さん ごぼかいに走った 五万五千五百石
  五斗五升五とうまいの お倉に納めて六匁に渡した
 六匁の六助さん ローソクかいに走った 六万六千六
  百石六斗六升六とうまいの お倉に納めて七匁に渡した
 七匁の七助さん 七輪かいに走った 七万七千七百石
  七斗七升七とうまいの お倉に納めて八匁に渡した
 八匁の八助さん ハッパかいに走った 八万八千八百
  石八斗八升八とうまいの お倉に納めて九匁に渡した
 九匁の九助さん 胡瓜かいに走った 九万九千九百石
  九斗九升九とうまいの お倉に納めて十匁に渡した

○ 口ずさむ歌
・ここからお江戸へ三百里 いきしもどして六百里
・日本の乃木さんが 凱旋す 雀 目白 ロシヤ 野蛮国
 クロバトキン 金のたま マッチ  (くりかえし)
・父さんトントに酒がない 母さんカッコにはまがない
 じいさんジイジに骨がない 婆さんバッポにあんがない
・いちじく にんじん さんしょうに しいたけ ごぼうに
 ろうそく 七りん 葉っぱ 胡瓜に トマト
・さんかく 四角 四角は豆腐 豆腐は白い 白いは兎
 兎ははねる はねるは蝗 蝗は青い 青いはねぶか
 ねぶかは長い 長いは煙突 煙突は丸い 丸いはお月さん
 お月さんは光る 光るはおやじのはげあたま
・そうだ そうだ そうだの村の村長さんが 死んだそうだ
 葬式まんじゅう食ったそうだ うまかったそうだ
・一番星見つけた お宮の森の上に 二番星見つけた
 ○○の○○の上に  (くりかえし)

○ひやかし言葉
・ばか ばか いうのが 一のばか
・いやなら いやしの金平糖 中身を割ったら 犬の糞
・雨の降らんのに傘さして 一文人形に笑われた
・鼻くそもんで万金丹 それをなめるは あんぽんたん
・知らんぜ 知らんぜ あとのもんのからよ
・指きりげんま うそついたら 針千本飲まそ
・くれくれ言うのは ほいとの子 やろやろ言うのはだんなの子
・○○さん ぼんぼ竹火吹竹 尻から吹いたら子ができ
・みかん きんかん さけのかん 子供に羊羹やりゃ泣かん 親のせっかん 子がきかん