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柳谷村誌

三 わらべ唄

 (一) 手毬唄
   ○てまりとてまり
 てまりとてまりが行きおうて 一つの手まりが言うことにや
 一年奉公しよじゃないか 一年奉公わしゃいやじゃ
 二年奉公しよじゃないか 二年奉公わしゃいやじゃ
 三年奉公しよじゃないか 三年奉公するからにゃ
 朝もとうから起きやんせ ちゃんちゃん茶釜に水ついで
 おじさんおばさん起きやんせ 起きて茶茶飲んで髪結うて
 てんてこ寺へ参りやんせ てんてこ寺のきじ猫は
 父より母よりほろろうつ ほろろじゃあるまい傘じゃあろ
 傘は何傘えちご傘 一に鏡台二に鏡
 三人子供に帯もろて 帯はもろたがくけてない
 くけておくれやあねごさん くけてあげるは楽なれど
 針がないからくけられん 針は針屋の絹糸で
 くけてもろうて花見に行けば お寺ぼんさにだきしめられて
 帯がきれるけはなしておくれ 帯がきれたらつなぎもできる
 縁がきれるけはなしておくれ 縁がきれたらつながれん
   ○うけとった
 今日はきょうきょう 明日はだいだい
 お台所のおてんまりを お貸しなされや
 お見せなされや 貨してもろうて
 ついて汚して戻すときは 赤の糸や黄の糸や
 金茶まじりの紫 おうやこうやと
 おちどりもうして ○○さんの小袖の下へ
 お渡し申すががってんか ヨシガッテン ガッテン
   ○わしのおばさん
 わしのおばさん 窓から見れば 銀の屏風に 綿のふとん
 こまい茶びんに 甘茶を入れて 誰にさそうや お芳にさそう
 お芳 芳 芳 吉田の生れ 生まれ落ちると おばさんがかり
 おばにかかりて はや十年よ 奉公さそうか 縁づきさそか
 縁はまだまだ 奉公が急ぐ 奉公さしても わきへもやらん
 寺のおしょやの 機織り奉公 機は織っても 布織りいやよ
 紬三反 木綿が二反 織って仕立てて 旦那に着せて
 わしも一度 いにたいものよ いぬる小道で 書いた紙ひろて
 足でけり上げ 手に取って見れば 下の一字は お色とござる
 上の一字は お万とござる お色来い来い お万をつれて
 お色来たとて やるものないぞ 筆に草紙に 歌の本
 まだもやりたい 長崎かもじ いれていわして 後から見れば
 つとん三尺 まきてが二尺 合せて五尺の まげ島田
   ○一匁のいい助さん
 一匁のいい助さん いの字が嫌いで 一万一千一百石一斗一升
 お蔵におさめて二匁に渡した
 二匁のにいすけさん 二の字が嫌いで 二万二千二百石二斗二升
 お蔵におさめて三匁に渡した
        (一〇匁まで続く)
   ○おしょしょ正月
 おしょしょ正月は 松立てて 竹立てて 年始の御祝儀 いたしましょ
 オチャチャカポン 茶々持て来い なんと 吸物 早よ持て来い
 子供の喜ぶ お正月 お正月
 ひいや ふうや みいや ようや いーつや むーや なーや やーや
 ここのや とーや とうからおいでだ お芋屋さん
 お芋一升 いくらかね 八十七銭五厘よ もちっとまからんか チャカランカポイ
 おばさんのことなら まけてあぎょ ざるを出し ますを出し
   ○正月とえ
 正月とえ 障子あければ万才が 鼓の音やら歌の声 さあ歌の声
 二月とえ お宮参りや寺参り あすは彼岸のお中日 さあお中日
 三月とえ 桜の花にはおひな様 きれいに飾った内裏様 さあ内裏様
 四月とえ 死んでまた来るお釈迦様 竹のひしゃくで茶茶あがれ さあ茶茶あがれ
 五月とえ ごんぼ紋りの前掛けを 正月結ぼとのけといた さあのけといた
 六月とえ ろくに結ばん前掛けを ころんで汚して腹が立つ さあ腹が立つ
 七月とえ 質に入れたり流したり 質屋のおばさん親切な さあ親切な
 八月とえ 蜂にさされて目が痛い 姉さん薬はないかいな さあないかいな
 九月とえ 草の中には菊の花 姉さん一枝折ってんか さあ折ってんか
 十月とえ 重箱さげてどこえ行く おいべつさまのお使いに さあお使いに
 十一月とえ 十一ぐらいの兄さんが 鉄砲かついで鳥うちに さあ鳥うちに
 十二月とえ 十二ぐらいの姉さんが 私の肩掛け編んでいる さあ編んでいる
   ○一かけ二かけ
 一かけ 二かけ 三かけて 四かけて 五かけて 橋をかけ
 橋のらんかんに 腰かけて はるか向うを ながむれば
 十七八のねえさんが 手には花持ち 線香持ち
 ねえさん ねえさん どこえ行く 私は九州鹿児島の 西郷隆盛娘です
 明治十年の戦争で 切腹なされた 父上の お墓参りに参ります
   ○一れつ談判
 一れつ談判破裂して 日霧戦争始った さっさと逃げるはロシヤ兵
 死ぬまで尽すは日本の兵 五万の兵と戦いて 六人残して皆殺し
 七月七日の戦いに ハルピンまでも 攻めよせて クロバトキンノ
 首を取り 東郷大将万々歳
   ○一番はじめは
 一番 最初は一ノ宮   二で 日光東照宮
 三で 讃岐の金毘羅さん 四で 信濃の善光寺
 五つ 出雲の大社    六つ 村々鎮守様
 七つ 成田の不動様   八つ 八幡の八幡宮
 九つ 高野の弘法大師  十で 東京の明治神宮
 (二) お手玉唄
  ○おじゃみ
おじゃみ おふた おみい およう なんとかじゆ とんちな
 おじゃみざくら おふたざくら おみざくら ざくら おようざくら
 おななざくら おもがえし おうまののりかえ おかごののりかえ
 のりかえた おふた おふた おうまののりかえ のりかえた
 おみい おうまののりかえ のりかえた
 およう おうまののりかえ のりかえた
   ○日本の乃木さんが
 日本の乃木さんが 凱旋す すずめ めじろ ロシヤ 野蛮国 クロバトキン
 金の丸 マカロフ ふんどし 締めた 丹切り リコウシヨウのはげ頭
 負けて逃げるが チャンチャンボ 
 棒でたたくが犬殺し しわん坊主の柿の種 年があいたら帰ろうか
 鍛冶屋の丁稚も暑かろう お寺の小僧もお経よみ 皆さんこれでおしまい
 (三) 羽子つき唄
○一や二
一や二 三や四 五や六 七や八 九や十
 (四) 鬼あそび唄
○鬼ごと
鬼さんこちら 手のなる方へ
 鬼さんこちら 豆いってかまそ
 鬼が来るまで 豆いって待ちょろ
   ○かごめかごめ
 かあごめ かごめ 篭の中の鳥は いついつ出やる 夜明けの晩に
 鶴と亀が すうべった うしろの正面だあれ
   ○坊さん坊さん
 坊さん坊さん どこ行くの わたしは 田圃へ稲刈りに
 私も一緒に連れしゃんせ お前が来ると 邪魔になる
 このきんかん坊主 くそ坊主 後の正面だーれ
   ○中の中の弘法大師
 中の中の弘法大師 なぜに 背が低いぞ 立てば立ってみせい
 うしろの者 だあれ
 (五) 縄とび唄
  ○大波小波
 大波小波 風が吹いたら まわしましょ 一 二 三
 四 五 六 高一 高二 三リキ リキ リキ スッポンピ
   ○ゆうびんさん
 ゆうびんさん 走らんか もうかれこれ 十二時じゃ
 時間がきれたら ばっきんじゃ
   ○おはいり
 おはいり はいよろし ジャンケンポン
 負けたお方は 出てちょうだい
 (六) 子取り遊び
   ○子くれ子くれ
 子くれ子くれ どの子が欲しい この子が欲しい 連れて帰って
 何食わす せんちのはたの ぐいみ食わす それはあんまり
 ほろきしゃない 川端のぐいみ 食わす それはあんまり 水くさい
 お米のまんまに じじ食わす それなら やるから 連れて行き
 (七) 手合わせ遊び唄
   ○夏も近づく
 夏も近づく 八十八夜 野にも山にも 若葉が茂る あれに見ゆるは
 茶摘みでないか あかねたすきに 菅の笠ー
(八) 指遊び唄
   ○いびつく
 いびつく にびつく さんびが早い お姫さんが 指つく らんちゃんぽ
   ○一が刺した
 一が刺した 二が刺した 三が刺した 四が刺した 五が刺した 六が刺した
 七が刺した 八(蜂)が刺した ブーン
 (九) にらめっこ遊び唄
   ○だるまさん
 だるまさん だるまさん にらめっこしましょ
 笑ろたら駄目よ うんとこ どっこいしょ
 (10) 関所遊び唄
   ○通りゃんせ
 通りやんせ 通りやんせ ここはどこの 細道じゃ
天神様の細道じゃ ちょっと通して 下しゃんせ
 御用のないもの 通しゃせぬ この子の 七つのお祝いに
 お札を納めに 参ります 行きはよいよい 帰りは恐い
 恐いながらも 通りゃんせ 通りゃんせ
 (11) 幼児の唄
   ○ちようち
 ちようち ちようち おつむてんてん
 輪くぐり 輪くぐり おつむてんてん
 じいのみ じいのみ